一目惚れは真実なのかそれとも錯覚なのか

一目惚れとは、初めて会った人に対し一瞬で相手のことを好きになってしまったり、夢中になってしまうことをいいます。

ただし、一目惚れする理由については、残念ながら科学的に明確な答えがでているわけではありません。

とはいえ、なぜ一目惚れするのかについての仮説は、いろいろなアプローチにより脳の働きと密接に関連していると考えられています。

今回は、なぜ一目惚れするのかについて、考えてみたいと思います。

一目惚れのメカニズムとは

まず、最も代表的なメカニズムとして考えられているのが、錯覚によるものではないかという考え方です。

なぜならば、人は自分の理想と一致している人を見ると、その人のことを好きだと思い込む傾向が強いからです。

初対面の人に対し、自分の理想像と一致する部分が少しでもあると、すべてが理想通りであると脳は勝手に思い込んでしまいがちです。

つまり、脳の勝手な思い込みである錯覚によって起こるのぼせ上がった状態こそが一目惚れであるということです。

のぼせ上がった状態であるため、付き合って相手のことを冷静に見ることができていくうちに、徐々にのぼせ上がりは冷めていきます。

そして、自分の判断が錯覚であると気づいた途端、一目惚れによる二人の関係は終わりを迎えるのです。

一目惚れが錯覚であるという考え方は一つの仮説に過ぎません。

しかし、のぼせ上がってしまう脳のメカニズムがある以上、普段から思い込みが激しいタイプの人は、一目惚れについて冷静な判断を心掛けることも必要でしょう。

一目惚れは似てるから起こる

錯覚とは別の仮説として、顔の特徴が似ていることが理由で一目惚れが起こるという考え方もあります。

顔の特徴が似ていることが理由とする考え方は認知心理学という学問に基づく考え方であり、目や鼻、口、耳など顔の各パーツの形や配置が自分と似ていると親近感を覚え好意を持ちやすくなると考えられています。

つまり、類似性の法則は顔の特徴においても効果があるということです。

その他には、子孫が生存に有利な遺伝子となるため、出来るかぎり自分と異なる遺伝子を持つ相手を交配することを目的に、
無意識に一目惚れにより相手を選んでいるという生理学的な考え方に基づいた仮説もあります。

一目惚れが真実なのか錯覚なのかについての明確な答えが出るにはまだまだ時間が必要ですが、これだけいろいろな仮説があり検証が行われているということは、多くの人が一目惚れについて興味を抱いているということであり、結果はどうであれ一目惚れの力について信じてみる価値は十分にあるといえるでしょう。